妊婦さんにとって、どんどん大きくなっていくお腹は赤ちゃんの成長を感じることができて幸せな気持ちになるものでしょう。出産予定日が近くなってくると、今まで普通にできていたことがしんどくなって、大きなお腹にぶつかって靴下を履くのも大変!なんて話を聞いたことはありませんか?
妊娠には、妊娠5~8ヶ月頃の「安定期」とよばれる比較的体調が安定してくる期間があります。
この頃は、少し活動的に動けるようになるので、赤ちゃんを迎える準備をはじめるのにも適しています。実は、妊娠中の歯の治療に関しても、この期間に行うのがおすすめなのです。
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妊娠中は虫歯になりやすい!
妊娠期間は約10ヶ月間続きますので、その間、歯のトラブルが起こらないとは限りません。
妊娠中はつわりで食生活が乱れたり、唾液の分泌量が変化したりすることによって口内環境が悪くなってしまい虫歯になりやすくなっています。
もし、妊娠中に虫歯に気がついたら放っておかずに歯医者さんにみてもらいましょう。そのまま放置してしまって、出産間近に痛みが強くなってしまっては大変です。妊娠2~3ヶ月頃は流産の可能性が高い時期ですので、長時間の治療や過度に緊張するようなことは避けたほうがよいでしょう。安定期に入って体調が良ければ、積極的に治療をうけることをおすすめします。
レントゲンや麻酔の影響
妊娠中の虫歯の治療は、基本的に一般の方と同じように行います。
レントゲンを撮って診断し、必要であれば麻酔も使用します。妊娠中にレントゲン!?麻酔!?と心配になってしまうかもしれませんが、どちらも問題ありません。歯科のレントゲンはお腹に直接X線があたることもありませんし、デンタルレントゲンであれば通常の約十分の一の線量で撮影できます。もし不安が残る場合は、レントゲンの使用を断っても構いません。麻酔も局所麻酔ですので母子ともに影響はありません。
安定期とはいえ、もちろん個人差はありますので無理はなさらないでください。
治療中でもお腹の張りが気になったり体勢が苦しい、トイレに行きたいときなどは、我慢しないで申し出ましょう。妊婦さんへの歯科治療は、診療のストレスをなるべく軽減できるように心がけています。妊婦さんの身体を考慮して治療をおこなっていきますので、心配なことや、体調については治療前に相談しましょう。
また、歯医者さんに行くときは母子手帳を持参しましょう。
妊婦検診のときに記入されている健康状態を歯医者さんに伝えることができますし、妊娠中の歯の状態のページをチェックしてもらうことができます。虫歯だけでなく、歯周病などの異常があれば、早期発見につながります。