医療は常日頃進化していて、歯医者さんも日々技術の習得に励んでいます。
この何年かで劇的な進化を遂げている分野といえば、インプラント分野です。今までのインプラント治療と新しく進化したインプラント治療についてイースト21デンタルオフィスが説明していきます。
目次
インプラントをする効果
インプラントは、入れ歯やブリッジに比べると費用がかかりますが、その分得られる治療効果は大きいです。骨は歯が抜けてしまうと活動を休止して溶け出すような仕組みになっています。しかし、インプラントが埋まっていると歯と認識して顎の骨が溶けずにいてくれるのです。
今までのインプラント
今までのインプラント治療は、骨の厚みが必要でした。骨の厚みがあるところを求め、厚みが足らなければ自分の骨を移植したり、骨増殖手術を行うことで厚みを確保してきました。今までのインプラント手術で最もネックとなっていたことは、この骨の厚みを確保できるかという問題でした。骨は歯周病で溶けて厚みは薄くなってきます。
さらにインプラントは元々の歯が生えていたところへ垂直になるように埋めるというのがセオリーでしたが、臼歯部では顎の骨の中に神経が通っているためインプラントを埋めた時に障害が出るリスクがありました。この神経は下歯槽神経と呼ばれていて、唇の知覚(触覚)を司っています。下歯槽神経はインプラント手術で障害されると、唇の知覚麻痺が起きてしまっていました。
新しいインプラント手術
新しいインプラント治療法では骨が少ない人でもインプラントを打てるように進化してきています。
とはいえ、最低限の骨の厚みは必要ですが、インプラントの角度を変えることで多角的に埋めて応力が集中することなく分散させることに成功しました。歯が全くない人へインプラントを打つ場合はどのようになるのかというと、インプラントを顎の真ん中を中心に扇形になるように埋めます。するとインプラントだけの平行性は劣りますが、応力の分散力は優るのです。この方法だとインプラントを埋める本数は少なくて済み、だいたい4本埋めることで安定力を得ることができます。その上には歯列全体を一塊にして製作したブリッジを装着します。すべてを4本のインプラントで支えるのでオールオン4と呼ばれています。
臼歯部にインプラントを打つことはないので、下歯槽神経の障害リスクも大きく軽減されました。しかし技術が進歩した今でも、変わらず術前に正確な診断を受けることは大切です。