歯磨きで口をゆすぐときズキっと痛みを感じることがありませんか?
その痛みは知覚過敏が原因かもしれません。知覚過敏は気が付かないうちに引き起こしているケースが多く、さらにそのまま放置しても自然に治ることはありません。もし痛みがなくなったという人がいれば、それは痛みに慣れてしまったか歯石がついて痛みを感じる部分が塞がっているかのどちらかが考えられます。
最近は市販の歯磨き粉でも知覚過敏が気になる人向けの商品が多く販売されていますよね。今回は歯磨き粉と歯ブラシの仕方・歯ブラシの選び方についてイースト21デンタルが説明していきます。
目次
知覚過敏の原因
まずは知覚過敏について理解を深めましょう。
知覚過敏になる原因は以下のことが考えられます。
1. 噛み合わせが強い
強い咬合力が歯にかかると歯はたわみます。
歯がたわんだ時に一番力が加わるのは歯の中でも歯茎よりの部分です。歯に強い咬合力がかかるとこの部分のエナメル質が剥がれ落ちてしまいます。歯の表面を覆っているエナメル質は骨よりも硬いため柔軟性が低く、エナメル質はたわみに弱い特徴があるのです。エナメル質の下には象牙質が存在していて、象牙質の中には象牙細管という細い管が走行しています。エナメル質が剥がれ落ちると象牙細管の入り口が露出してしまいます。
そして、象牙細管は歯の神経が入っている歯髄へと繋がっていています。歯髄は外界からの刺激を痛みとして感じるので象牙細管から受け取る情報は全て痛みとして感じることになるのです。
2. 歯周病が原因
歯周病が進行していくと歯茎が下がり歯が伸びたように見えます。
歯茎は歯のエナメル質には付着せず、象牙質を保護するように覆っています。歯茎が下がると象牙質が露出しやすくなり、露出した象牙質部分を歯磨きすることで象牙質が削れて象牙細管が露出してしまいます。
3. 歯磨きの仕方が悪い
歯ブラシの仕方や歯磨きの仕方は小学校・中学校などの時期にしか行われません。
歯医者さんで教えてもらっても覚えている人は少ないのではないでしょうか。不適切な力と歯ブラシ選びで歯磨きをすると歯を傷つけるだけでなく歯茎も傷つけてしまいます。歯を少量ずつ削れてしまった結果、象牙細管が露出します。
4. 歯石除去をしてもらった後
歯医者さんで歯石を取ってもらった後は高確率で知覚過敏がみられます。
すでに象牙質が露出している状態であってもそこへプラークが溜まり、歯石を形成すると象牙質を覆うことになるため刺激を受けることが少なくなります。
しかし、歯石を取ると象牙質が露出するので知覚過敏が起きることがあるのです。
知覚過敏の症状
知覚過敏の症状は主に冷たい水にしみることです。
重度の知覚過敏になると温かい、冷たいの温度に関わらず水であれば何でもしみてしまいますし、冷たい風でもしみることがあります。
歯磨き粉の違い
最近ドラッグストアや通販サイトでも知覚過敏が気になる人向けの歯磨き粉が増えてきています。
とはいっても、普通の歯磨き粉と知覚過敏歯磨き粉は何が違うのか、イマイチ分かっていない人も多いのではないでしょうか。そこで、大きく違う点について解説してきます。
1. 成分の違い
知覚過敏の痛みを抑えるために「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」といった成分が配合されています。
この2つの成分は歯医者さんで患者さんに塗り薬としてつかわれている成分で、それが家庭用歯磨き粉に採用されたのは革命的でした。知覚過敏に特化した薬用成分が配合されているので、症状を軽減させるだけでなく、知覚過敏予防としても有効です。
2. 研磨剤の有無
研磨剤とは歯に付着した着色汚れを落とすのに大きな働きをしてくれます。
しかし、知覚過敏を起こしている人にとって研磨剤は傷口に塩を塗るのと同じ行為です。プラークや着色汚れを落とす意味で研磨剤は必要不可欠なのですが象牙細管が露出している状態で研磨剤入りの歯磨き粉を使用するとさらに象牙細管を露出させてしまいます。
知覚過敏が気になる人向けの歯磨き粉には研磨剤があまり使用されていない、もしくは全く使用されていません。研磨剤が入っていないだけで歯はごくわずかなダメージですみます。
歯ブラシの選び方
知覚過敏予防や改善では正しい歯ブラシの選び方も重要です。
歯ブラシを選ぶ上で大切なのはヘッド部分の大きさと、持つところの長さです。ヘッド部分はできるだけ小さいものを選ぶようにしてください。ヘッドが大きすぎると口の奥まで入りにくく磨き残しのリスクを高めてしまいます。歯磨きは、小さめのヘッドで小刻みに磨くことで汚れを丁寧に除去できるので歯ブラシ選びで参考にしてみましょう。
また、持ち手は自分の手の大きさに合わせましょう。手が小さい人は短い歯ブラシがぴったりですし、手が大きい人は長めの歯ブラシが適切な歯ブラシです。自分にあった長さの歯ブラシを選ぶようにしましょう。
歯ブラシの毛先は柔らかいものを選ぶのがベストです。毛先が硬いと歯を削ってしまうことがあります。
歯磨きの方法
歯磨きをするときは歯ブラシをペンのように持ちます。
こうすることで歯磨きをするときに過剰な力がかかりにくくなります。磨き方は大きく横にゴシゴシと動かすのではなく、毛先を歯に当てたら小刻みに動かしてあげるのがポイントです。そして、力は入れずに触れているような感覚の力加減に調整しましょう。歯を傷つけずにプラークを除去するには十分な力です。
知覚過敏で痛みが出てしまう人は無理せず、知覚過敏用歯磨き粉で少し磨いて痛みが出たら休憩するという方法で努力してみましょう。