皆さん、何気なく見ている人の顔。その口元に注目したことはあるでしょうか?
実は歯並びによってその印象は大きくかわり、一時期では「マスク美人」なんて言葉もでていました。マスクをとると印象が大きく変わるのは、口元の印象がその人の顔の印象を大きく占めているからといえるでしょう。
その中で今回は「過蓋咬合」の方はどんな状態なのか。自分では気づきにくい歯の状態の一つですので、こちらに注目していきたいと思います。
目次
そもそも過蓋咬合とは?
そもそも過蓋咬合とはどんな状態なのでしょうか?
漢字から読み取ると
過蓋:過ぎる蓋、ここでは蓋は上顎のことを指します。
咬合:噛みあわせのことです。
普通に噛み締めたときに、上の歯が下の歯を覆ってしまうぐらいに噛み締めてしますのです。まさに「下の歯に蓋をし過ぎた状態」と言えるでしょう。このように噛みあわせが深い状態を「過蓋咬合」と呼びます。
前歯の噛みあわせは、下の前歯の3分の1(もしくは4分の1)程度が上の前歯によって覆われているのが理想とされていますが、一般的にどれくらいかは判断つかないと思います。
その上で、特に歯が凸凹しているわけでもなく、普通の噛みあわせでも少し下の歯は隠れているものですので、自分自身ではなかなか気づきにくく歯科検診などで気づかれる場合が多いようです。
過蓋咬合になる条件は様々ですが、日常の癖だけでなく遺伝的なことや顎の輪郭など持って生まれた状態・乳歯の生え変わり時期など多くあげられるためどうしたら避けられるかといった回避方法は強くは上げられません。
特徴とデメリット
特徴としては、下の歯が隠れてしまうぐらい噛みこんでいるので、とある場合だと下の歯が上顎に食い込むように噛み締めてしまうこともあるようです。このことによって起こるデメリットは口内炎ができやすいということです。口腔内の潰瘍は全て口内炎になりますので歯茎に口内炎ができる可能性が高くなります。さらに、年齢を重ね、月日が経つにつれて下の前歯が歯茎に当たってしまい歯茎が傷つき、その部分の骨が吸収してしまうこともあります。これが二つ目のデメリットに繋がります。
二つ目にあげられるデメリットとしては、過剰咬合のような噛みあわせがしっかりとできていない噛みあわせを「不正咬合」と呼ばれますが、不正咬合の場合、歯周病やむし歯になるリスクが高くなると言われています。それは歯の磨きづらさもありますが、過剰咬合の場合、上の前歯が常にでている状態なので乾きやすく、むし歯のリスクがぐんとあがっていってしまいます。
さらに、噛みあわせの影響で歯茎に影響がでてきてしまい、歯周病になる可能性が高くなるということを覚えておきましょう。一つ目のデメリットでお話しした骨の吸収から歯周病になる可能性は非常に高いと言われています。
また、これは事例が少ないですが顎関節症の原因にもなると言われています。下顎が噛み締めた時の前歯によって後ろに押し込められて、いつも顎の関節が後ろの骨に圧迫されるようになる可能性があり、そのため顎に負担がかかってしまい、顎に違和感を覚えたり、口を開けるときに音が鳴ったり、口が大きく開きにくくなることがリスクとして高いとされています。
このように噛み締める力が強いはいる分、顎の関節に負担がかかるといわれているからです。そういった噛み締める力からあげると、ブリッジなどの補綴物が壊れやすい原因にもされやすくなっています。
改善方法はあるのか?
元々大き目の顎の日本人ですが、年々、白人のようにシュッとした小さい顎や顔立ちになっています。そのことにより歯が行き場をなくしこういった不正咬合になりやすいとされています。
不正咬合になってしまった場合、自費治療の歯科矯正が改善策となります。
もしも子どもの生え変わり時期で気づけた場合簡単な装置で調節しながら生え変わりの時期に調節しながら歯を抜かず少しずつずらすことで普通と変わりない噛みあわせを手に入れることができます。
また、大人になってから気づいた場合でも歯を抜いたり、削ったりなど状態によってスペースを作ることによって改善は可能なので一度矯正歯科の先生に相談してみるとよいかもしれません。一緒にむし歯も直してきれいなお口を手に入れましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。過蓋咬合は不正咬合のひとつですが、上顎を噛み締めてしまうことからデメリットも多くあります。歯の動きやすさからも治療期間を考え、成長期に改善するのが望ましい不正咬合のひとつです。
子どものころから定期健診をしっかりと行くことを習慣づけていると気付くのも早くなるかと思います。自分は失敗した!と思った保護者の方がいたら歯科検診にぜひ行ってみてください。学校の検診だけでは見つからないものが見えてくるはずです。
もし最近歯医者に行っておらず、気になった方は、鏡をみて「イー」と噛んだ状態にしてみてください。下の歯がしっかりみえていれば問題ありません。少しでも気になる方はイースト21デンタルオフィスで相談するといいかもしれませんね。