歯の根元や歯を支える骨が溶けて、最終的に歯が抜けてしまう歯周病は、とても重大な病気です。
しかし歯周病の予防法は、とても簡単です。
しっかりした歯磨き――これだけです。しかし歯科医たちが驚くほど多くの人が、正しい方法では磨いていません。歯周病予防に効果を発揮する正しいブラッシング方法をイースト21デンタルが紹介します。
目次
まずは歯磨きの心構えから
「毎食後5分磨いているので、自分は大丈夫」と思っている人はいませんか?
実はそのような人の歯は意外に磨けていません。
確かに「毎食後」と「5分間」は正しい歯磨き方法の条件に当てはまりますが、それだけでは効果が出ません。
歯周病を寄せつけない歯磨きをするには、心構えが重要です。
それは、
●歯垢(しこう)は剥ぎ取る気持ちがないと取れない
●歯石は歯科クリニックに行かないと取れない
ということです。
ただし歯垢を剥ぎ取るといっても、力任せにブラッシングをしてしまうと、かえって歯と歯肉を傷つけてしまいます。歯垢は「慎重に剥ぎ取る」必要があるのです。
1カ所10~20回小刻みに、歯と歯肉の境目を狙う
歯磨きのブラッシングは、奥歯の後ろ側から始めましょう。
歯ブラシは歯に対して45度の角度で当てます。1カ所当たり歯ブラシを10~20回ほど動かします。動かし方は小刻みが基本です。「シュッ、シュッ、シュッ、シュッ」とやりましょう。「シューッ、シューッ、シューッ、シューッ」では細かい汚れは取れません。
また、最も磨かなければならない場所は、歯と歯肉の境目です。慣れない方は、歯ブラシの毛が歯肉に当たるだけで痛かったりむずがゆくなったりしますが、それでもしばらく続けてみてください。そのうち、心地よい刺激に変わります。
歯周病は歯と歯肉の間にできる「ポケット」に細菌が入って発症するので、ここが最重要ポイントなのです。
2種類の歯ブラシを使いわける
歯ブラシは2種類用意するのが理想的です。
1本は毛量が豊富なものを選んでください。これで全体的に大きな汚れを除去します。
もう1本は、歯ブラシの毛の部分の幅が狭く毛量が少なく毛先が細いものを購入してください。こちらで歯と歯の間や、歯と歯肉の間を集中的に磨きます。
5分間磨くために座って磨こう
歯磨きは毎食後行ってください。
また早めに夕食をとってしまい、寝るまでに時間があいてしまったら、布団の中に入る前にもう一度軽く磨いてもいいでしょう。
歯磨き時間は5分間が理想です。5分間はとても長く感じるので、座って歯ブラシをしたほうがいいでしょう。
フロスまたは歯間ブラシを使おう
歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシも使ってください。
ここまでやれば99点です。
100点にするためにはプロの指導を受ける
残りの1点は、定期的に歯科医や歯科衛生士の指導を受けることです。
というのも、歯磨き方法は知らず知らずの間に自己流になってしまうからです。
自己流では、2本の歯ブラシとフロス、歯間ブラシを駆使して毎日15分(=3食後×5分)かけて磨いても磨き残しが出てしまいます。
定期的に歯科クリニックに行き、プロに磨けているところと磨けていないところをチェックしてもらってください。またそのタイミングで歯石を落とす治療を受けることをおすすめします。